2020年度の事業報告

令和2年度福井県ニホンザル対策行政職員研修会

2021年2月2日(火)、2021年2月9日(火)、2021年2月2日(火)〜9月18日(金)

 参加者のべ100名(全て福井県または市町の行政職員)

 福井県第二種特定鳥獣管理計画(ニホンザル)の改訂に備え、ニホンザル(以下、サル)の管理や被害対策を担う市町や県の各農林総合事務所等の担当職員に対して研修を行い、①サル対策に必要な正しい知識と技術を普及すること、②各地域の現状を把握し課題の抽出を行うこと、③ニホンザルの分布に応じた管理ユニットごとに関係する市町や農林総合事務所が互いに連携し、計画的に対策に取り組むことの重要性や、それぞれが果たすべき役割についての理解を深めることを目的として、本事業を行いました。

 3日間の研修会を通して、ニホンザルの生態、対策5ヵ年計画の作り方、隣接市町間の連携の重要性などを理解していただいた。参加者の満足度も非常に高く、引き続きこうした研修会を実施して欲しいという声を寄せていただいた。今回の研修の成果が、福井県第二種特定鳥獣管理計画(ニホンザル)の改訂版に反映されることを期待しています。

※コロナ禍での対面の研修会であったが、体温測定・マスク装着など、感染予防を徹底して実施しました。

2020年度集中セミナー

2020年9月14日(月)〜9月18日(金)

参加者8名(行政職員1名、学生7名)

サルカンとしての初めての集中セミナーでした。コロナ感染予防策を徹底し(検温・換気・ソーシャルディスタンスの確保)対面で実施しました。

1日目は、参加者同士の自己紹介をしたのち、このセミナーを通して考えたいことなどを整理しました。

2日目は、ニホンザルの保全管理に関する基礎知識について学んだ後、「とある市町のニホンザル保全管理計画を立てるとしたら」というテーマで、グループに分かれて個体数管理と被害管理の3カ年計画を立てました。

3日目は、作成した計画内容を説明する場面を再現するロールプレイングを行いました。それからは現場に行って大型捕獲檻やサル用電気柵(おじろ用心棒)の設置実習でした。

4日目は地域の方々から取り組みの概要を伺い、被害を及ぼすニホンザルの観察やカウント調査にチャレンジしました。

最終日5日目は、3日目のロールプレイングをブラッシュアップして再挑戦です。4泊5日通して参加することで、やっと、ニホンザル保全管理の進め方やそれに必要なスキルがわかる内容となっています。参加者からもとても好評で、4泊5日の内容をそのまま県の担当者向け研修会で実施してほしい、という依頼がくるほどでした。

オンラインセミナー(サルの社会・人の社会)

2020年8月22日(土)10:30〜12:00

参加者36名

オンラインwebinar3日目は、「サルの社会・人の社会」というテーマで、山端直人のナビゲートで、山田一憲さん(大阪大学)から、淡路島や岡山での研究に基づくニホンザルの生態と、その保全管理の手法について紹介しました。
 ニホンザルの被害をメインに出来事を考えると忘れがちなニホンザルの魅力について、「寛容性」というキーワードをもとにお話しいただきました。また、地域による違いも存在することがわかり、各地域で保全管理に取り組む必要性について再認識する機会となったと思います。

オンラインセミナー(サルを管理する仕事)

2020年8月21日(金)19:30〜21:00

参加者52名

オンラインwebinar2日目は、「サルを管理する仕事」というテーマで、森光由樹のナビゲートで、鈴木克哉(NPO法人里地里山問題研究所)と清野紘典(野生動物保護管理事務所)から、サルの保全管理に関わる仕事について紹介しました。こうした仕事に就くことになった契機や、その中で感じている達成感や葛藤などをありのままをお話しすることで、サルの管理に関わる仕事の魅力をお伝えしました。

オンラインセミナー(もっと知って!サルの魅力)

2020年8月21日(金)19:30〜21:00

参加者85名

Covid-19の影響により、対面での研修会を開催できなくなりました。そこで、話し合いを重ね、サルカンのことをもっと多くの方に知っていただきたいと思い、オンラインでウェビナーを開催することにしました。オンラインウェビナーでは、清野未恵子がナビゲーターとなり、中川尚史さんからニホンザルの地域ごとの多様性とその魅力などをお話いただきました。

オンライン1dayセミナー

2020年7月31日(金)、8月7日(金)13:30〜15:30

参加者 7月31日:15名、8月7日:20名

オンライン形式での初めての1dayセミナーでした。今回から、行政担当職員の方以外の参加も可能ということで、学生さんや民間事業者の方々の参加が多くを占めていました。また、オンライン形式ならではの特徴でもある遠隔地の参加がみられ、オンラインによる開催のメリットも実感しました。セミナー終了後も質問のある方に対応させていただきました。